中医薬学は、陰陽五行論を基礎概念とした内経思想が主軸となり、試行錯誤を続けながらも時代と共に発展し続けたもので、広い中国国内の多くの流派、多くの学説を整理し系統的に総括統合し平均化して構築された一大医薬学体系である。
その特徴は、先述したように、弁証論治を中核とし、<病態認識><治法><方剤><実際処方>(文献4)と連係されるもので、それぞれの項目において厳密な考察がなされ、論理的かつ系統的な思考が要求される。その<病態認識>はかなり統一された豊富な専門用語によって表現され、系統的分析的に整然と把握される。その後に続く<治法><方剤><実際処方>においても同様である。
この中医学の中核をなす弁証論治を学習するには、中医学の哲学理論に基づいた複雑な全体系を系統的に学習しなければならない。現在の中国においては菅沼中医師によれば、「中医基礎学」、「中薬学」、「方剤学」の三課程が基礎医学の柱であるという(文献6)。
これらの教科書類の原書、またはそれに類する原書は今日、かなり自由に手に入れることが出来るが、ただしこれら三課程は最低の基本線であることを忘れてはならない。また、これらの分野は勿論、その他の分野においても現実の中医薬学の学習書は中国において、無数にと言ってよいほどの種類が出版されている。